
そもそも、フリースペースを作ろうと思った理由なのですが、それは遡ること10年前に、私が心から信頼する経営コンサルタントの社長との話しの中から構想が生まれました。
創業した際、仕事柄、学生や人事担当者たちと接する機会が多く、その中で感じたことは、「誰もが悩みながら必死で居場所を探している」こと。
人間関係・職場環境・自分の将来・会社の方針・仕事の習熟、様々なその立場になってはじめてわかることに対峙しているように思えました。
学生であれば、どの会社に入りたい!とかどんな仕事をしたい!という、どこの会社に属するか?を考えて就職活動をします。
しかし社会人の次の進路っていうと、転職か起業か今いる場所で納得するかの選択になります。だけれども、一番大切なことは「どこに向かうか?」であって、「どんな交通手段を使うか?」は目的地が決まらないと選択できないのだと思います。
そう、自分が目指す居場所がなければ、ゴールのないマラソン大会になってしまいます。
その時出た表現が「人生の更埴ジャンクション」って言葉なんですが、長野から東京に車で向かうのに、更埴ジャンクションで上信越道・長野道・一般道を選択できるんです。でも「東京に」「車で」がなければ、そもそも道の選択まで行かないじゃないですか。手前の松代PAで止まって考えている状態が、居場所探しなんじゃないかと・・・
だから、「どこに」「どんな手段で」を考える機会を作りたい!と考えたんですね。
それも世の中に一番多くて、ある意味、最後の進路である社会人の考える機会を作りたかったんです。だって社会人でいる時間が人生の中では学ぶ時間より長くって、社会人でいるからこそ考えられることも多くって、この人たちが元気でないと当然世の中も元気にならないじゃないですか?
今の行政の支援って、何らかのビハインドがある人に重点が置かれていると思うんです。福祉的な立場や弱者救済の観点からすれば、行政がそこに注力することは当然だと思いますし、否定するつもりはありません。だけれども、日々もがき苦しみ、いろいろなことと戦っている普通の社会人が普通に頑張れるような支援があってもいいんじゃないか・・・そう感じたんです。
もしかしたら一番その支援を望んでいたのは、自分自身かもしれません。なにしろ頑張ろうと思っている社会人と向き合える機会が世の中にはない、あるかもしれないけど知らないと感じていました。それは今も同じ考えです。
そんなこんなから、社会人や社会人予備軍である学生と向き合って、目的や方法を一緒に考える場づくりをいつかしたいと考えていました。それがフリースペースを作るきっかけになった考えです。
ありそうでないんですよね、しがらみのない人たちと語らいながら、人の生きざまを見て、自分自身で振り返れる「社会人の社交場」。そんな場所にしたいんですよね、N-portは!
次回はN-portのオープンに至るまでを書きたいと思います。